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リアル引っ越し
こんばんは。
今度の日曜にリアルで引っ越しする事に。
その関係で、更新も暫く滞りがちになりそうです。
ネットの方はすぐ使えるそうですが、部屋の間取りなんかで手間取りそう。
地元~地元なのですが、どうせ引っ越すなら全く初めての土地でも良かったかな、と思っていたりします。
引っ越し前に一回ぐらい更新して、できるだけ早めに復帰できればと思っていますが、どうなる事やら。
そして、今度のウルトラ映画、DAIGOに加えてAKBも主要キャラとして登場らしいですね。
地上波で完全な新作を放映できない以上、映画で集客力のあるタレントをという目論みなんでしょう。
ただ、自分としては、今回のDAIGOもAKBも特に嫌っている訳ではありませんが、あくまでDAIGOはDAIGO、AKBはAKBとしてしか見られそうにありません。
それだけ彼ら役者以外の部分でキャラが立ちすぎていますしね。
そして、それに食われかねないウルトラシリーズそのものの元気の無さが、ファンの一人としてどうにも残念です。
ま、いずれマックス~メビウス時代ぐらいの勢いは取り戻してくれるだろう、と根拠もなく期待してはいますが。
では、本日はこの辺で。
今度の日曜にリアルで引っ越しする事に。
その関係で、更新も暫く滞りがちになりそうです。
ネットの方はすぐ使えるそうですが、部屋の間取りなんかで手間取りそう。
地元~地元なのですが、どうせ引っ越すなら全く初めての土地でも良かったかな、と思っていたりします。
引っ越し前に一回ぐらい更新して、できるだけ早めに復帰できればと思っていますが、どうなる事やら。
そして、今度のウルトラ映画、DAIGOに加えてAKBも主要キャラとして登場らしいですね。
地上波で完全な新作を放映できない以上、映画で集客力のあるタレントをという目論みなんでしょう。
ただ、自分としては、今回のDAIGOもAKBも特に嫌っている訳ではありませんが、あくまでDAIGOはDAIGO、AKBはAKBとしてしか見られそうにありません。
それだけ彼ら役者以外の部分でキャラが立ちすぎていますしね。
そして、それに食われかねないウルトラシリーズそのものの元気の無さが、ファンの一人としてどうにも残念です。
ま、いずれマックス~メビウス時代ぐらいの勢いは取り戻してくれるだろう、と根拠もなく期待してはいますが。
では、本日はこの辺で。
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結華のビジュアル
こんばんは。
たまには人間の3D画像を作りたくなり、作って見ました。
今回作ったのは、小説の方で現在物語のキーなっている結華です。
小説の方での書き方を見ているとわかると思いますが、本来はもっと洋美たちに絡み、準主役となる位置づけのキャラクターでした。
洋美の方は年齢的にも大分大人で、精神的にも欠点に乏しい、いわば完成されたキャラクターです。
その対比となる結華は、才能はあっても精神的に未熟、という成長型主人公に近い性格設定をしています。
執筆中の21話で、これからさらにキャラを描写していきますが、今回はAiko4フィギュアを元にしたビジュアルが出来たので公開してみます。

髪は以前、情報を小出しにしていた自作の物。
まだUVマッピングはおわっておらず、未完成です。

バイク大好き娘。
本来の性格は、根が素直で、他人をよく気遣いできる優しい物。

ただ、プロレス団体の門番なんてやっているだけあり、筋を通さない相手にはかなり過激。
異星人にも臆しません。(笑)
たまには人間を作ってみるのも楽しいものですね。
ただ、やっぱり服の扱いが難しいなあ、とも思いました。
では、また次回。
たまには人間の3D画像を作りたくなり、作って見ました。
今回作ったのは、小説の方で現在物語のキーなっている結華です。
小説の方での書き方を見ているとわかると思いますが、本来はもっと洋美たちに絡み、準主役となる位置づけのキャラクターでした。
洋美の方は年齢的にも大分大人で、精神的にも欠点に乏しい、いわば完成されたキャラクターです。
その対比となる結華は、才能はあっても精神的に未熟、という成長型主人公に近い性格設定をしています。
執筆中の21話で、これからさらにキャラを描写していきますが、今回はAiko4フィギュアを元にしたビジュアルが出来たので公開してみます。

髪は以前、情報を小出しにしていた自作の物。
まだUVマッピングはおわっておらず、未完成です。

バイク大好き娘。
本来の性格は、根が素直で、他人をよく気遣いできる優しい物。

ただ、プロレス団体の門番なんてやっているだけあり、筋を通さない相手にはかなり過激。
異星人にも臆しません。(笑)
たまには人間を作ってみるのも楽しいものですね。
ただ、やっぱり服の扱いが難しいなあ、とも思いました。
では、また次回。
Zeal of Ultralady 第二十一話『決闘! 20カウント』 Part6-2
「あちゃー、終わったな」
「え、組み付いたらそこで終わりってルールなんですか、これ?」
「いや、そうじゃないんだけど、同水準の実力のキックボクサーと総合もできるプロレスラーが組んで戦ったら、どっちが有利かはハッキリしてるからさ」
「あー、そういう事ならまだまだだと思いますよ」
格闘技に関してはほぼ素人の佐々木が、仮にもプロの斉藤の意見を否定する。
果たして、展開はその通りになった。
結華は正面から洋美の両腿を抱え込むや、さらに姿勢を下げ、両膝を刈ってテイクダウンを奪う。
グラウンドでの関節技に長けた格闘技の選手にとって、教科書のような試合の組み立てである。
ところが、不利な体勢にもっていかれたはずの洋美は、焦るどころか勝ち誇ったような笑みさえ浮かべ、とぼけた声を漏らしたのである。
「あらら、タックル早いのね」
地面に倒されつつも両足で相手の胴体を挟み込み、すぐには寝技に入られない状態を維持する洋美。
だが、プロのレスラーたる結華も、当然その攻略方法は熟知しており、膝立ちの状態で胴体へ絡みついた洋美の右足を押し下げる。
そうして大きく開かせた洋美の両足の間を踏み越え、体を側面へ移そうと試みる。
だが、その瞬間、見る者全てが目を疑う光景が展開される。
洋美がほんの一瞬だけ自由になった左足を屈め、足の裏を結華の腹部に添えるが早いか、脚力のみで天才女子レスラーをロープ際まで蹴り放したのである。
「げっ、なんて脚の力してるんだ……」
驚く斉藤の視線の先で、悠々と立ち上がった洋美へ、表情を固めた結華が再度間を詰めてゆく。
洋美は、迎撃にリーチの長いジャブを繰り出すが、それもかいくぐられ、再びタックルを決められてしまう。
ただ、今度は敵の動きの鋭さを学んでいた洋美も、万全の体制で待ち構えており、猪のごとく押し込んできた結華を、上から易々と押し潰す。
とはいえ、やはりグラウンドでの攻防は専門家の結華に分があった。
馬乗りになろうと試みる洋美は、逆に上手く体勢をコントロールされ、胴体を両足で挟まれた形へ移行させられる。
「あー、志賀さんガードポジション取られちゃった」
高度なグラウンドの攻防を見ても、苦笑する表情を崩さない佐々木。
「専門家の得意分野で勝負を挑んで来るなんて、相手を甘く見すぎよ。志賀さん」
「そんなつもりはないんだけどなあ……」
真剣勝負の緊張感など微塵もないまま、洋美は困ったように返す。
だが、その瞬間栗毛の美女の顔つきが一変した。
「でも、黒須さんって本当強いのね。できるだけ痛くさせないように勝ちたかったけど、そうもいかないみたい。ンフフ」
「この状態でそんな余裕かますなんて、相手をナメるのもいい加減にして!」
「だから、そんなつもりじゃないっての!」
言うなり、洋美は結華の腹部を鋭く殴りつけた。
そして、ここでも周囲の全員が息を飲む。
「がはあッ! ああうっ!」
さらにもう一撃。
「ぐあああッ!」
洋美の何気ないパンチを腹部に打ち込まれる都度、結華は悲鳴をあげて苦悶する。
「な、なにが起きてるんだ?」
「あー、志賀さん結構エグい裏技使ってるよ。斉藤さん」
「裏技?」
「うん。中指の関節だけを突き出した拳、空手で言う中指一本拳の形で、腹筋の隙間から体内の急所を正確に狙い撃ちにしてるんだ。……ま、以前に彼女自身から解説されてないと分からなかった事だけど」
「そんなの洋美にしか出来ないピンポイント攻撃なんだろうけど、確かにエグいわ……」
斉藤と佐々木の会話を横目に見た洋美は、ふと打撃をやめて、未だにガードポジションをとり続ける結華を見下ろした。
「我慢強いわね。壊さずに勝たなきゃいけないから、この攻撃はここまでにしとくわ」
「くっ……!」
勝つために最も効率的な攻撃を続行しないのは、まさに手加減そのものである。
この試合を、アイデンティティをかけた真剣勝負と位置づけている結華にとって、これほど屈辱的な事はないであろう。
鋭くも小作りな美貌が怒りに歪んでいた。
そこへ上から降り注ぐ鉄槌のような拳。
だが、膝立ちの不安定な体勢から放った洋美の左ストレートは、結華に容易く読まれており、その手首をガッチリと捕らえられてしまう。
「あ、捕まった。三角締め!」
意外に格闘技に詳しい佐々木が叫んだ瞬間、またしても洋美以外の全員の予想を裏切る展開になる。
栗毛のキックボクサーの左腕を捕らえ、下から絞め技に入らんとする天才レスラー。
その体が一瞬だけ浮き上がったように見えた矢先、まったく唐突に脱力してマットへ落ちたのである。
リング上に仰臥した結華は、大の字になったまま、一切身動きを見せなくなる。
「そこまで! 洋美さんの勝ちよ」
結華の顔を確認したクーガー館野は、すぐに頭上で両手を交差して洋美の勝利を宣言していた。
「一体何なんだ、今のは」
「私の角度からはしっかり見えたわ」
完全に気を失っている妹を介抱しつつ、館野が青ざめた顔で向き直る。
汗一つかいていない洋美は、ゆっくりと立ち上がると、悠然とした動作でリングを降りてゆく。
「館野、黒須は平気なのか?」
「うん。洋美さんが一番ダメージの少ないKOの仕方をしてくれたから」
「一体、何があったんだよ」
「結華が洋美さんを三角締めに捕らえた瞬間は見たでしょ?」
「ああ」
「でも技が完全に決まり切る直前に、洋美さんは捕まった左腕を思い切り上に持ち上げたのよ」
「おいおい、女の腕で三角締めに来た相手を持ち上げられる訳はないだろ」
「当然持ち上がらないわよ。でも、反動で一瞬だけ結華の体は前に引き寄せられた。そのコンマ数秒のカウンターのチャンスに、洋美さんは狙い澄ました右パンチで、結華の顎を正確に打ち抜いたのよ」
「ウソだろ、そんな芸当が人間にできるのかよ……」
館野と同じく顔色のなくなった斉藤が、リングの下で水分補給をしながら佐々木と談笑する洋美に目をやった。
「う……」
ほとんどダメージのなかった結華が、すぐに意識を取り戻し、首を振って周囲の状況を確認する。
「あたし、負けたんですね……」
「まあな。ぶっちゃけ、相手が悪すぎたんだよ」
斉藤が慰めの言葉をかけていると、その背後に当の『悪すぎた相手』が立っていた。
「孝恵さんの言う通りね。……あなた、嫉妬心丸出しにして、意地でも勝とうとスタイルを総合格闘技の物にしたでしょ。それが敗因よ」
「どういう、こと?」
姉に抱きかかえられたまま、結華は絞り出すような声で聞き返した。
「あなたが本分のレスラーとして挑んできたなら、私もキックボクサーとして応じるつもりだった。そうなれば、どっちが勝ってもおかしくなかったわ。でもね……」
そこまで言った洋美は、肩に掛かった長い栗毛をはね除けながら続ける。
「あなたが勝ちだけを狙うつまらない勝負を挑んできたから、私もジールとして戦ってきた経験をフルに発揮する事にした。そうなった以上、普通の人に負ける道理はないわ」
「詳しく聞かせてもらえない? 洋美さん」
完全に気配で洋美に圧倒されている結華、そんな妹の代わりに、館野が聞いた。
「考えてみて下さい。こっちはしょっちゅう猛獣以上の敵と、本当に命をかけて戦っているんです。危険察知能力や度胸なんかは、格闘技の練習じゃ到底身につかないレベルまで磨かれていますよ」
「……確かに、全く反論の余地がないわね」
まさにぐうの音も出ない三人のプロレスラー。
「そして、そういう怪獣たちは大体が捕食性の巨大生物。思い浮かべてほしいんですが、地球の肉食動物も、獲物を仕留める時はどういう攻撃をしていると思います?」
「どうって、組み付いて噛みつく……あっ!?」
「そうです。自然界の捕食者は、大体が組み付いてから相手を仕留める寝技師みたいなもの。私はそういう相手とやり慣れているから、組み技で次にどこを狙われるのかが完璧に読めるんですよ」
余裕の表情で言った洋美に対し、格の違いを思い知られて俯く結華。
「ここまでにしましょう。結華、洋美さん、少し休憩をとって」
やがて、年長者の館野が妹を立たせて場を仕切る。
「わかりました。私は少し外に出て来ます、姉さん」
「結華……」
「時間までにはちゃんと戻ります」
試合のダメージもなく、しっかりとした足取りでリングを下りてゆく赤毛のヒールレスラー。
たが、その時、残りの全員の目に予想だにしなかった光景が映り込む。
それは、大粒の涙をこぼす結華の泣き顔であった。
「え、組み付いたらそこで終わりってルールなんですか、これ?」
「いや、そうじゃないんだけど、同水準の実力のキックボクサーと総合もできるプロレスラーが組んで戦ったら、どっちが有利かはハッキリしてるからさ」
「あー、そういう事ならまだまだだと思いますよ」
格闘技に関してはほぼ素人の佐々木が、仮にもプロの斉藤の意見を否定する。
果たして、展開はその通りになった。
結華は正面から洋美の両腿を抱え込むや、さらに姿勢を下げ、両膝を刈ってテイクダウンを奪う。
グラウンドでの関節技に長けた格闘技の選手にとって、教科書のような試合の組み立てである。
ところが、不利な体勢にもっていかれたはずの洋美は、焦るどころか勝ち誇ったような笑みさえ浮かべ、とぼけた声を漏らしたのである。
「あらら、タックル早いのね」
地面に倒されつつも両足で相手の胴体を挟み込み、すぐには寝技に入られない状態を維持する洋美。
だが、プロのレスラーたる結華も、当然その攻略方法は熟知しており、膝立ちの状態で胴体へ絡みついた洋美の右足を押し下げる。
そうして大きく開かせた洋美の両足の間を踏み越え、体を側面へ移そうと試みる。
だが、その瞬間、見る者全てが目を疑う光景が展開される。
洋美がほんの一瞬だけ自由になった左足を屈め、足の裏を結華の腹部に添えるが早いか、脚力のみで天才女子レスラーをロープ際まで蹴り放したのである。
「げっ、なんて脚の力してるんだ……」
驚く斉藤の視線の先で、悠々と立ち上がった洋美へ、表情を固めた結華が再度間を詰めてゆく。
洋美は、迎撃にリーチの長いジャブを繰り出すが、それもかいくぐられ、再びタックルを決められてしまう。
ただ、今度は敵の動きの鋭さを学んでいた洋美も、万全の体制で待ち構えており、猪のごとく押し込んできた結華を、上から易々と押し潰す。
とはいえ、やはりグラウンドでの攻防は専門家の結華に分があった。
馬乗りになろうと試みる洋美は、逆に上手く体勢をコントロールされ、胴体を両足で挟まれた形へ移行させられる。
「あー、志賀さんガードポジション取られちゃった」
高度なグラウンドの攻防を見ても、苦笑する表情を崩さない佐々木。
「専門家の得意分野で勝負を挑んで来るなんて、相手を甘く見すぎよ。志賀さん」
「そんなつもりはないんだけどなあ……」
真剣勝負の緊張感など微塵もないまま、洋美は困ったように返す。
だが、その瞬間栗毛の美女の顔つきが一変した。
「でも、黒須さんって本当強いのね。できるだけ痛くさせないように勝ちたかったけど、そうもいかないみたい。ンフフ」
「この状態でそんな余裕かますなんて、相手をナメるのもいい加減にして!」
「だから、そんなつもりじゃないっての!」
言うなり、洋美は結華の腹部を鋭く殴りつけた。
そして、ここでも周囲の全員が息を飲む。
「がはあッ! ああうっ!」
さらにもう一撃。
「ぐあああッ!」
洋美の何気ないパンチを腹部に打ち込まれる都度、結華は悲鳴をあげて苦悶する。
「な、なにが起きてるんだ?」
「あー、志賀さん結構エグい裏技使ってるよ。斉藤さん」
「裏技?」
「うん。中指の関節だけを突き出した拳、空手で言う中指一本拳の形で、腹筋の隙間から体内の急所を正確に狙い撃ちにしてるんだ。……ま、以前に彼女自身から解説されてないと分からなかった事だけど」
「そんなの洋美にしか出来ないピンポイント攻撃なんだろうけど、確かにエグいわ……」
斉藤と佐々木の会話を横目に見た洋美は、ふと打撃をやめて、未だにガードポジションをとり続ける結華を見下ろした。
「我慢強いわね。壊さずに勝たなきゃいけないから、この攻撃はここまでにしとくわ」
「くっ……!」
勝つために最も効率的な攻撃を続行しないのは、まさに手加減そのものである。
この試合を、アイデンティティをかけた真剣勝負と位置づけている結華にとって、これほど屈辱的な事はないであろう。
鋭くも小作りな美貌が怒りに歪んでいた。
そこへ上から降り注ぐ鉄槌のような拳。
だが、膝立ちの不安定な体勢から放った洋美の左ストレートは、結華に容易く読まれており、その手首をガッチリと捕らえられてしまう。
「あ、捕まった。三角締め!」
意外に格闘技に詳しい佐々木が叫んだ瞬間、またしても洋美以外の全員の予想を裏切る展開になる。
栗毛のキックボクサーの左腕を捕らえ、下から絞め技に入らんとする天才レスラー。
その体が一瞬だけ浮き上がったように見えた矢先、まったく唐突に脱力してマットへ落ちたのである。
リング上に仰臥した結華は、大の字になったまま、一切身動きを見せなくなる。
「そこまで! 洋美さんの勝ちよ」
結華の顔を確認したクーガー館野は、すぐに頭上で両手を交差して洋美の勝利を宣言していた。
「一体何なんだ、今のは」
「私の角度からはしっかり見えたわ」
完全に気を失っている妹を介抱しつつ、館野が青ざめた顔で向き直る。
汗一つかいていない洋美は、ゆっくりと立ち上がると、悠然とした動作でリングを降りてゆく。
「館野、黒須は平気なのか?」
「うん。洋美さんが一番ダメージの少ないKOの仕方をしてくれたから」
「一体、何があったんだよ」
「結華が洋美さんを三角締めに捕らえた瞬間は見たでしょ?」
「ああ」
「でも技が完全に決まり切る直前に、洋美さんは捕まった左腕を思い切り上に持ち上げたのよ」
「おいおい、女の腕で三角締めに来た相手を持ち上げられる訳はないだろ」
「当然持ち上がらないわよ。でも、反動で一瞬だけ結華の体は前に引き寄せられた。そのコンマ数秒のカウンターのチャンスに、洋美さんは狙い澄ました右パンチで、結華の顎を正確に打ち抜いたのよ」
「ウソだろ、そんな芸当が人間にできるのかよ……」
館野と同じく顔色のなくなった斉藤が、リングの下で水分補給をしながら佐々木と談笑する洋美に目をやった。
「う……」
ほとんどダメージのなかった結華が、すぐに意識を取り戻し、首を振って周囲の状況を確認する。
「あたし、負けたんですね……」
「まあな。ぶっちゃけ、相手が悪すぎたんだよ」
斉藤が慰めの言葉をかけていると、その背後に当の『悪すぎた相手』が立っていた。
「孝恵さんの言う通りね。……あなた、嫉妬心丸出しにして、意地でも勝とうとスタイルを総合格闘技の物にしたでしょ。それが敗因よ」
「どういう、こと?」
姉に抱きかかえられたまま、結華は絞り出すような声で聞き返した。
「あなたが本分のレスラーとして挑んできたなら、私もキックボクサーとして応じるつもりだった。そうなれば、どっちが勝ってもおかしくなかったわ。でもね……」
そこまで言った洋美は、肩に掛かった長い栗毛をはね除けながら続ける。
「あなたが勝ちだけを狙うつまらない勝負を挑んできたから、私もジールとして戦ってきた経験をフルに発揮する事にした。そうなった以上、普通の人に負ける道理はないわ」
「詳しく聞かせてもらえない? 洋美さん」
完全に気配で洋美に圧倒されている結華、そんな妹の代わりに、館野が聞いた。
「考えてみて下さい。こっちはしょっちゅう猛獣以上の敵と、本当に命をかけて戦っているんです。危険察知能力や度胸なんかは、格闘技の練習じゃ到底身につかないレベルまで磨かれていますよ」
「……確かに、全く反論の余地がないわね」
まさにぐうの音も出ない三人のプロレスラー。
「そして、そういう怪獣たちは大体が捕食性の巨大生物。思い浮かべてほしいんですが、地球の肉食動物も、獲物を仕留める時はどういう攻撃をしていると思います?」
「どうって、組み付いて噛みつく……あっ!?」
「そうです。自然界の捕食者は、大体が組み付いてから相手を仕留める寝技師みたいなもの。私はそういう相手とやり慣れているから、組み技で次にどこを狙われるのかが完璧に読めるんですよ」
余裕の表情で言った洋美に対し、格の違いを思い知られて俯く結華。
「ここまでにしましょう。結華、洋美さん、少し休憩をとって」
やがて、年長者の館野が妹を立たせて場を仕切る。
「わかりました。私は少し外に出て来ます、姉さん」
「結華……」
「時間までにはちゃんと戻ります」
試合のダメージもなく、しっかりとした足取りでリングを下りてゆく赤毛のヒールレスラー。
たが、その時、残りの全員の目に予想だにしなかった光景が映り込む。
それは、大粒の涙をこぼす結華の泣き顔であった。
Zeal of Ultralady 第二十一話『決闘! 20カウント』 Part6-1
6
「その様子だと、今日の興行の事じゃなさそうね。……私はいいけど、TJLWとしての許可はどうかしら」
「ちょっと、興行前に何を言い出すのよ、結華」
「ごめんなさい、姉さん。あたしの最初で最後のワガママにします。だから、この件だけは……」
心底申し訳なさそうな表情で言う結華だったが、その姉は日本女子プロレス界の一流選手にして、無数の興行を成功させて来たやり手の女傑である。
そう簡単に勝手な行動は容認しない、という雰囲気を全身から発散させていた。
「希望はわかったわ。で、その動機は?」
「志賀さんが羨ましいのから……。私は元々、外部団体から合流した余所者ヒールとして、TJLWのリングではブーイングを浴びる毎日。それを見かねた姉さんと兄さんが、苦労してウルトラレディの役を用意してくれた時は、涙がでるほど嬉しかった」
ここまでクールを装ってきた天才レスラーの声には、段々と年相応の感情が滲み始めている。
「でも、それは事情があって志賀さんに譲らなきゃいけなかった。そしたら、その志賀さんは実は本物のジールでもあった、なんて残酷だよ。彼女はリングの上でも、実社会でも人々に笑顔を与えられる存在で、私はその影に隠されるだけだなんて……」
個人の感情としては理解できる、と洋美は思った。
レスラーとしてなまじ卓越した実力を持っているだけに、裏方に押し込められている現在の立場と、自分の実力に大きなギャップを感じてしまうのだろう。
そこに、自分のような特異な存在がいきなり現れ、実の姉に近づけるチャンスまで潰したのだ。
納得できなくても無理はない。
「それが、どうして洋美さんにピストルを挑む理由になるのかしら?」
「ピストル?」
「ガチンコの事だよ。女子プロじゃそういう呼び方をするんだ」
聞き慣れない業界用語に首をかしげた洋美へ、すかさず斉藤が解説する。
「こちらの志賀さんは、格闘技者としても、人としても、敬意を払うに値する人物だわ。だから、お互いの本分でぶつかり合えば、勝っても負けても私は今の境遇に納得できる」
「ま、もっともらしい理由ね。……私はいいわ」
「なら決まりだな」
どこか楽しそうな斉藤が断じ、トントン拍子で世界最高レベルのキックボクサーと女子プロレスラーの対戦が決定してしまう。
「ただし、今夜の興行には影響を出す事は許さないわ。立会人は私と斉藤で、絶対に潰しあいにはさせない」
「……わかってます。ありがとう、姉さん、斉藤さん。そして、志賀さん」
クールな仮面を脱ぎ捨て、一人の純粋でひたむきな競技者としての素顔をさらけ出した結華。
しかし、当の洋美は何か含むような笑顔を浮かべ、本来の性格からは想像しにくい言葉を口にする。
「立ち合いが済んだ後で、そんなスポ根みたいな顔してられるかしらね。フフ」
「お、おい洋美……」
意図を計りかねた斉藤が窘めるように言うのも気に止めず、栗毛の美人ストライカーは口撃の二の矢を放った。
「私、こう見えて自分でも呆れるくらい執念深いのよ。あの晩の借りはヤミ金並の利子をつけて返して貰うから」
格闘技者としての純粋な競争心が殆ど感じられないほど、洋美の表情は意地の悪い物になっていた。
無論演技だが、それを向けられる結華は居心地の悪そうな表情であった。
結局、設営の済んでいたメインアリーナのリングが、立ち合いの舞台になった。
四人以外のメンバーを全てシャットアウトした競技場のリングには、隠れた実力者たる二人の格闘家がアップを済ませ、今まさに対峙している所であった。
二人が纏っているコスチュームは、夜に演じるウルトラレディや、ダークネスの物ではない。
結華の方は、普段の興行で着用しているヒールレスラー用の物で、つま先から首までを覆う黒地に、赤い模様の入った比較的地味なデザインである。
両肩から先の腕は剥き出しであるものの、前腕から手の甲にかけてはスーツと同じ色彩のプロテクターを装着している。
対する洋美は、トレーニング用のスウェットスーツの下と、厚出のパープルのTシャツ一枚のみである。
「洋美さん、結華を挑発するような真似をして一体どういうつもりなの?」
リングサイドに控える洋美を、悪戯好きな子供を見るような目つきの館野が問いただす。
「格闘技の先輩として、ちょっとしたプレゼントですよ」
「プレゼント、ねえ……」
「大丈夫、絶対悪いようにはさせません。ただ……」
「ただ?」
怪訝な顔の美人レスラーに、洋美は一瞬だけ真面目な表情を返した。
「端から妹さんを見ている館野さんにとっては、少し残酷に映る場面が続くかもしれません。その点だけは予め謝っておきます」
「確かにあなたの実力なら、普通の相手には残酷かもしれないけど、あの結華の格闘能力も凄まじいレベルなのよ? 聞いた所だと、洋美さん自身路上で一本取られたって言うじゃない」
「その通りです。ただ、あの時と今は状況が違います。……ま、見てればわかりますよ」
いかにも余裕綽々といった風情の洋美である。
まるで家の外へ遊びに出てゆく子供のように、実に楽しげな表情であった。
その様子が勘にさわったのか、リングの対角線上で斉藤からアドバイスを受けていた結華が、若干曇った表情を向けて来る。
「じゃ、始めるわよ」
と言った時であった。
「その勝負、僕も観戦させて貰いますよ」
アリーナの入り口から、夏物ジャケットを小脇に抱え、ハンカチで額の汗を拭いながら早足で歩み寄って来るのは佐々木である。
「あれ、佐々木さん。秋宏と真里ちゃんはどうしたんです?」
「ついさっき、一班のみんながこっちに到着してね。剣持君や士堂さんにお願いしてきたよ」
「そういう事なら了解です。じゃあ、クーガーさん続きを」
立会人が一人増えたが、良く知っている相手だけに、それに異を唱える者はいなかった。
「勝敗はKOとギブアップで決定。ダウンカウントはテンまで。目突きは当然反則。二人ともOK?」
「私はOKです」
「問題ありません」
返答して結華がトレードマークの赤髪を一度掻き上げると、途端に気配が薄く、朧気な物になってゆく。
「何を繰り出してくるかわからない、って事ね。怖い怖い」
明らかにモチベーションが異なる二人がリングサイドに戻ると、中央に陣取ったクーガー館野が試合の開始を宣言する。
「始めッ!」
合図の声が終わらない内に、小気味良い打撃音がアリーナ内に響いた。
洋美が短距離スプリンター顔負けのダッシュから、挨拶代わりの拳を繰り出し、結華がそれを冷静に受けたのだ。
悠然と飛び退った洋美が、リング中央で一分の隙もないキックボクシングの構えを取る。
対する赤毛の天才女子レスラーは、構えもせずに洋美へ歩み寄ってゆく。
そして、僅かにリーチで勝る洋美の射程圏内に届く寸前、栗毛のストライカーの打撃が炸裂する。
どうみても届かないはずのジャブと、後続のストレートが、顔面を覆った結華のガードをぐらつかせ、僅かに距離を下がらせる。
「へえ、完全に見えてるんだ。あの時より三割り増しの早さなのに」
「これでも全力じゃないのはわかるわ。本気で来て、志賀さん」
「やだ。あなたを弄んだ上で勝つわ」
お互いにマウスピースを咬んでいるため、くぐもった発音だが、その会話で一気に場の雰囲気が凍り付く。
相変わらず無表情な結華が、今度は前屈みの構えになってジリジリと間を詰めてゆく。
そこへ唸りを上げる洋美の打撃はまるで銃火であった。
繰り出すローキックは基本に忠実だが、タイミング、速度、力、そして隙の無さの全てにおいて完璧な代物である。
さすがに躱しきれず、膝を上げて防御する結華の表情が大きく歪んだ。
「うは、洋美の本気のローをカットしやがった。黒須の奴、いままでずっと三味線弾いてやがったのか」
最前列の観客席に陣取った斉藤が、心底感嘆した顔となる。
三味線を弾く、というのも本来の力を隠して実力を低く見せる行為を表す俗語である。
「やっぱり、彼女って強いんだねえ」
ニコニコしながら、斉藤の脇に据わった佐々木が、なんとも緊張感に乏しい顔で試合の様子に目をやっている。
「あんた、確か……」
「DEMIO調査課一班の佐々木と言います。よろしく」
「あ、ああ。こちらこそ」
二人が挨拶している間に、試合は動いていた。
極めて短時間で洋美の打撃へ順応した結華が、とうとう天才ストライカーの下半身に組み付いたのである。
Zeal of Ultralady 第二十一話『決闘! 20カウント』 Part5-2
“それにしても、主砲まで止められるなんて、あのDTただ者じゃないわ”
“あのヴィルストーヴァという巨大生物は、全身に纏った水晶から圧電効果によって電気を発生させ、それを電磁気に変換する能力を持っています。……もっとも、それを荷電粒子砲に対する防御に使う、といった頭脳までは持っていないはずなのですが”
“十中八九ゼクスノーツのせいね。……それにしても、前回のグルディバイドといい、最近のDTは特に強力な奴が多い気がするわ”
洋美の声には、事態を深刻視している重さがあった。
“我々が上級怪獣と呼んでいる存在は、中級以下の怪獣とは決定的な差があります。その最たる物が、『物理法則を直接用いた戦闘機能を備えているか?』という点です”
“物理法則を!?”
“はい。生物の生体反応も突き詰めれば物理法則の結果ですが、それをもっと単純かつ効率的に用いる機能として備えているかどうか、という事です”
“ただの身体能力だけじゃなくて、人間が道具を使うのと同じレベルの能力を持つって事かしら?”
“そうですね。例えて言えば、このヴィルストーヴァの超振動、グルディバイドの共振波、エルダイトの衝撃波咆吼、そして以前保護したセルメラーのプラズマ放射などです”
“セルメラー? あれも上級怪獣だったの?”
“はい。以前相対した固体は、インプラント制御のせいで満足に能力を発揮できていませんでしたが、本来の戦闘能力は文字通り『神獣』の異名に相応しい強力な物です”
お互い、ダメージの回復を待っているに近い状況だったが、変化は唐突に現れた。
地に蹲って防御姿勢を取りつつ、口元をしきりに掻いていた重装怪獣が、いきなり背後へ走り出し、出現時に自分が開けた大穴へ走り寄ってゆく。
「逃がす訳にはっ!」
膝立ちの姿勢から立ち上がり、敵を追わんとジールが一歩を踏み出した瞬間、右足に電流を流されたかのような鋭痛が走り抜ける。
「ぐっ!!」
再び膝を地に突く白銀の戦女神。
その隙に、ヴィルストーヴァは元来た大陥没へ飛び込み、自前の超振動を駆使して地の底へ遁走してゆくのだった。
さすがのジールも大地の中にまで敵を追う訳にもいかない。
周囲の被害をほとんど出ていない事を確認すると、どこか溜息をついたような雰囲気を漂わせつつ、上空へ飛び去ってゆくのであった。
洋美が地上に転送され、元居た地域まで戻ると、当然の如く親交を得た三人のプロレスラーが待ち構えていた。
「洋美、あんた……」
一番頻繁に顔を合わせているデストロイヤー斉藤が、表情の選択に困ったままの状態で、どうにか声を絞り出した。
「私がどんな存在か、バレちゃったわね」
限りなく自嘲気味な苦笑を浮かべ、洋美は相手に向き直った。
「一体、どういう事なの? 洋美さん」
団体のマネージメントにも関わり、物事を総体的に捕らえて考えられるクーガー館野が、困惑しつつも洋美に説明を求めた。
ことここに至っては隠し通す事など出来はしない。
洋美は覚悟を決めて、三人へ全てを打ち明ける事にしていた。
結局、現場からイベントの開催された小学校を経由し、興行の行われる市民総合体育館までの道中で、戦女神の同化者は今までの経緯を全て友人たちへ語っていた。
イベントの資材と四人だけを載せたワゴン車が、体育館に到着する頃には大まかな内容は全て伝えきっていた。
「話す事は話しました。これからどうするかは、クーガーさんたちが決めて下さい。この場で契約を切ってくれても構いませんし、ジールと私の関係を他の誰かに触れ回るのも自由ですよ」
ヴィルストーヴァの戦闘時とはうってかわり、ジールと自分の関係が知られたことに対し、特に頓着していないような洋美の物言いであった。
「こんな重要な事、いきなり突きつけられても何が何やら……」
最も重厚感のある容姿の斉藤が、最も動揺している様子を見て、洋美は我知らず苦笑を浮かべた。
対照的に、冷静に対処しようと勤めているのが館野だが、やはり一番落ち着いているのが、裏家業に片足を踏み入れている結華であった。
鮮やかな赤髪の天才若手レスラーは、今も口元を引き結んだまま、表情一つ浮かべずに丁寧な運転を維持していた。
「仮に、私たちがこの情報をどこかへ持ち込んだら、あなたは一体どうするつもりなの? 社会生活を満足に送ることすら難しくなるんじゃ?」
特撮などの変身ヒーロー物でよく取り上げられる懸念であったが、洋美は全く動じずに答えた。
「まあ、持ち込む相手にもよりますけど、並大抵のメディアなら、私のバックにいる御津崎グループと対策室が握り潰してくれるでしょう」
「あなたがDEMIOのメンバーって時点で、そうじゃないかと思ってたけど、やっぱりあの御津崎グループが後ろ盾だったのね」
「ついでに言えば、公的な巨大生物対策機関の対策室と、上部組織の内閣もそのあたりの事は公然の秘密として認識しています」
「洋美、あんた、思ってたよりずっとビッグな奴だったんだねえ……」
「なんせ身長45メートル」
妙な感心の仕方をする斉藤と、そこに妙なオチをつけ加える結華。確かにヒール同士で息はあっている。
「でも、人の口に戸は立てられない。一度拡散された情報は、アングラな領域から瞬く間に全世界へ広まってしまうはずじゃない?」
洋美にとってネガティブなはずの情報を口にする館野だが、意外に晴れやかな顔となっている。
「その時は、自分こそが本当のジールの同化者だ、と名乗る存在が、あちこちで名乗りをあげたり、スッパ抜かれたりする事になるはずです」
「手当たり次第に偽物をでっちあげて、事の真偽を惑わせる手筈まで整ってるって事ね。さすがに、特撮と違ってそのあたりのバックアップはしっかりしてるわね」
「で、どうしますか?」
「別に変わらないわ。あなたには、予定どおりこのまま今夜の興行に出場してもらうし、それが済んでも友達のままでいたいわ。……当然、今のことを触れ回るなんてバカな真似もしない」
「あたしもさ。ダチが困るような事なんか誰がするかっての」
巨大生物に対する自らの恐怖を押し殺しつつ、被災地の住民を勇気づけようとするレスラーだけあって、館野と斉藤はあくまで洋美の友人であり続けるつもりのようだった。
「で、あなたはどう? 結華」
「言う訳ないでしょ。あたしはリングの上ではヒールをやってるけど、リアルで他人の個人情報を暴露しまくるようなクズになるつもりはないわよ。……それに、そんな事したら間違い無く姉さんに縁を切られるし」
「その通り。わかってるじゃない」
言った結華の顔も、仕方ないと言いたげな物になっていた。
「姉さん? わかってる?」
「ええ、仕方ないからあなたには明かしちゃうけど、私と結華って父が同じ異母兄弟なのよ」
「な、なんだって!?」
「一応他のメンバーには黙っててよ、斉藤」
日に何度目かの驚愕の表情を浮かべる斉藤だが、逆にそれで耐性を身につけたらしい。
すぐに動揺を抑えて口を開く。
「ま、まさかお前たち、あたしを担いでないだろうな?」
「その疑問、志賀さんとジールにぶつけてみたらハッキリしますよ、斉藤さん」
「そ、それもそうか。さすがに目にした現実は無視できないしなぁ……」
持ち前の適応能力で斉藤が自分を納得させていると、今度は珍しく結華が洋美に向かって口を開いた。
「志賀さん。ちょっと聞いて良いかしら?」
「どうぞ」
澄ました声ではあるものの、三人の相手の中で一番油断のできない相手からの問いに、洋美は内心身構えつつ応じる。
「さっきの怪獣とジールの戦い、私も遠間から見ていたけど、随分と動揺していたよね。一体どうして?」
“完全に見透かされてるわね、まるでシュティーナ並だわ”
“分かっていた事ではありませんか。素直に答えてあげて下さい”
苦笑気味に促してくるジールに、内心でしかめっ面を向けると、洋美は言葉を選んで結華の問いに応じる。
「別に、正体がバレるのが怖かった訳じゃないわ。……ただ、斉藤さんや館野さんと友達としての関係を続けられなくなるのを心配したのよ」
「確かに、ハイそうですかと流すには大きすぎる事情だものね」
洋美の心情をある程度理解している結華の言葉。
そうしている間にも、四人を乗せたワゴン車は市民総合体育館の体育館に到着した。
「それに、私に接近しすぎるって事は、必然的に巨大生物事件にも近づく事になるから。正直に言って、そんな面倒事には友達を巻き込みたくない気持ちもあるのよ」
「質問に答えてもらってありがとう。志賀さんがどういう人なのか、少しだけわかった気がするわ」
結華が停車させたワゴン車のドアを開き、いの一番に車外へ出ていった。
このあたりの素早さは、若手レスラーとしての下働きで身についた動きだろう。
そして、洋美たちが外に歩み出た時であった。
イベントに使った機材を車から引っ張り出そうとする洋美の前に、結華が一分の隙もない仁王立ちの体勢で立ちはだかった。
「どうしたの、黒須さん?」
「ここまでの経緯を見て、私はどうしてもあなたと本気で対戦をせずにはいられなくなりました。あたしは今、この場であなたにブックなしの戦いを挑みます。志賀洋美さん」
真正面から自分を射貫くような鋭い眼光を受け、洋美は二秒ほどの間を置いて言った。
“あのヴィルストーヴァという巨大生物は、全身に纏った水晶から圧電効果によって電気を発生させ、それを電磁気に変換する能力を持っています。……もっとも、それを荷電粒子砲に対する防御に使う、といった頭脳までは持っていないはずなのですが”
“十中八九ゼクスノーツのせいね。……それにしても、前回のグルディバイドといい、最近のDTは特に強力な奴が多い気がするわ”
洋美の声には、事態を深刻視している重さがあった。
“我々が上級怪獣と呼んでいる存在は、中級以下の怪獣とは決定的な差があります。その最たる物が、『物理法則を直接用いた戦闘機能を備えているか?』という点です”
“物理法則を!?”
“はい。生物の生体反応も突き詰めれば物理法則の結果ですが、それをもっと単純かつ効率的に用いる機能として備えているかどうか、という事です”
“ただの身体能力だけじゃなくて、人間が道具を使うのと同じレベルの能力を持つって事かしら?”
“そうですね。例えて言えば、このヴィルストーヴァの超振動、グルディバイドの共振波、エルダイトの衝撃波咆吼、そして以前保護したセルメラーのプラズマ放射などです”
“セルメラー? あれも上級怪獣だったの?”
“はい。以前相対した固体は、インプラント制御のせいで満足に能力を発揮できていませんでしたが、本来の戦闘能力は文字通り『神獣』の異名に相応しい強力な物です”
お互い、ダメージの回復を待っているに近い状況だったが、変化は唐突に現れた。
地に蹲って防御姿勢を取りつつ、口元をしきりに掻いていた重装怪獣が、いきなり背後へ走り出し、出現時に自分が開けた大穴へ走り寄ってゆく。
「逃がす訳にはっ!」
膝立ちの姿勢から立ち上がり、敵を追わんとジールが一歩を踏み出した瞬間、右足に電流を流されたかのような鋭痛が走り抜ける。
「ぐっ!!」
再び膝を地に突く白銀の戦女神。
その隙に、ヴィルストーヴァは元来た大陥没へ飛び込み、自前の超振動を駆使して地の底へ遁走してゆくのだった。
さすがのジールも大地の中にまで敵を追う訳にもいかない。
周囲の被害をほとんど出ていない事を確認すると、どこか溜息をついたような雰囲気を漂わせつつ、上空へ飛び去ってゆくのであった。
洋美が地上に転送され、元居た地域まで戻ると、当然の如く親交を得た三人のプロレスラーが待ち構えていた。
「洋美、あんた……」
一番頻繁に顔を合わせているデストロイヤー斉藤が、表情の選択に困ったままの状態で、どうにか声を絞り出した。
「私がどんな存在か、バレちゃったわね」
限りなく自嘲気味な苦笑を浮かべ、洋美は相手に向き直った。
「一体、どういう事なの? 洋美さん」
団体のマネージメントにも関わり、物事を総体的に捕らえて考えられるクーガー館野が、困惑しつつも洋美に説明を求めた。
ことここに至っては隠し通す事など出来はしない。
洋美は覚悟を決めて、三人へ全てを打ち明ける事にしていた。
結局、現場からイベントの開催された小学校を経由し、興行の行われる市民総合体育館までの道中で、戦女神の同化者は今までの経緯を全て友人たちへ語っていた。
イベントの資材と四人だけを載せたワゴン車が、体育館に到着する頃には大まかな内容は全て伝えきっていた。
「話す事は話しました。これからどうするかは、クーガーさんたちが決めて下さい。この場で契約を切ってくれても構いませんし、ジールと私の関係を他の誰かに触れ回るのも自由ですよ」
ヴィルストーヴァの戦闘時とはうってかわり、ジールと自分の関係が知られたことに対し、特に頓着していないような洋美の物言いであった。
「こんな重要な事、いきなり突きつけられても何が何やら……」
最も重厚感のある容姿の斉藤が、最も動揺している様子を見て、洋美は我知らず苦笑を浮かべた。
対照的に、冷静に対処しようと勤めているのが館野だが、やはり一番落ち着いているのが、裏家業に片足を踏み入れている結華であった。
鮮やかな赤髪の天才若手レスラーは、今も口元を引き結んだまま、表情一つ浮かべずに丁寧な運転を維持していた。
「仮に、私たちがこの情報をどこかへ持ち込んだら、あなたは一体どうするつもりなの? 社会生活を満足に送ることすら難しくなるんじゃ?」
特撮などの変身ヒーロー物でよく取り上げられる懸念であったが、洋美は全く動じずに答えた。
「まあ、持ち込む相手にもよりますけど、並大抵のメディアなら、私のバックにいる御津崎グループと対策室が握り潰してくれるでしょう」
「あなたがDEMIOのメンバーって時点で、そうじゃないかと思ってたけど、やっぱりあの御津崎グループが後ろ盾だったのね」
「ついでに言えば、公的な巨大生物対策機関の対策室と、上部組織の内閣もそのあたりの事は公然の秘密として認識しています」
「洋美、あんた、思ってたよりずっとビッグな奴だったんだねえ……」
「なんせ身長45メートル」
妙な感心の仕方をする斉藤と、そこに妙なオチをつけ加える結華。確かにヒール同士で息はあっている。
「でも、人の口に戸は立てられない。一度拡散された情報は、アングラな領域から瞬く間に全世界へ広まってしまうはずじゃない?」
洋美にとってネガティブなはずの情報を口にする館野だが、意外に晴れやかな顔となっている。
「その時は、自分こそが本当のジールの同化者だ、と名乗る存在が、あちこちで名乗りをあげたり、スッパ抜かれたりする事になるはずです」
「手当たり次第に偽物をでっちあげて、事の真偽を惑わせる手筈まで整ってるって事ね。さすがに、特撮と違ってそのあたりのバックアップはしっかりしてるわね」
「で、どうしますか?」
「別に変わらないわ。あなたには、予定どおりこのまま今夜の興行に出場してもらうし、それが済んでも友達のままでいたいわ。……当然、今のことを触れ回るなんてバカな真似もしない」
「あたしもさ。ダチが困るような事なんか誰がするかっての」
巨大生物に対する自らの恐怖を押し殺しつつ、被災地の住民を勇気づけようとするレスラーだけあって、館野と斉藤はあくまで洋美の友人であり続けるつもりのようだった。
「で、あなたはどう? 結華」
「言う訳ないでしょ。あたしはリングの上ではヒールをやってるけど、リアルで他人の個人情報を暴露しまくるようなクズになるつもりはないわよ。……それに、そんな事したら間違い無く姉さんに縁を切られるし」
「その通り。わかってるじゃない」
言った結華の顔も、仕方ないと言いたげな物になっていた。
「姉さん? わかってる?」
「ええ、仕方ないからあなたには明かしちゃうけど、私と結華って父が同じ異母兄弟なのよ」
「な、なんだって!?」
「一応他のメンバーには黙っててよ、斉藤」
日に何度目かの驚愕の表情を浮かべる斉藤だが、逆にそれで耐性を身につけたらしい。
すぐに動揺を抑えて口を開く。
「ま、まさかお前たち、あたしを担いでないだろうな?」
「その疑問、志賀さんとジールにぶつけてみたらハッキリしますよ、斉藤さん」
「そ、それもそうか。さすがに目にした現実は無視できないしなぁ……」
持ち前の適応能力で斉藤が自分を納得させていると、今度は珍しく結華が洋美に向かって口を開いた。
「志賀さん。ちょっと聞いて良いかしら?」
「どうぞ」
澄ました声ではあるものの、三人の相手の中で一番油断のできない相手からの問いに、洋美は内心身構えつつ応じる。
「さっきの怪獣とジールの戦い、私も遠間から見ていたけど、随分と動揺していたよね。一体どうして?」
“完全に見透かされてるわね、まるでシュティーナ並だわ”
“分かっていた事ではありませんか。素直に答えてあげて下さい”
苦笑気味に促してくるジールに、内心でしかめっ面を向けると、洋美は言葉を選んで結華の問いに応じる。
「別に、正体がバレるのが怖かった訳じゃないわ。……ただ、斉藤さんや館野さんと友達としての関係を続けられなくなるのを心配したのよ」
「確かに、ハイそうですかと流すには大きすぎる事情だものね」
洋美の心情をある程度理解している結華の言葉。
そうしている間にも、四人を乗せたワゴン車は市民総合体育館の体育館に到着した。
「それに、私に接近しすぎるって事は、必然的に巨大生物事件にも近づく事になるから。正直に言って、そんな面倒事には友達を巻き込みたくない気持ちもあるのよ」
「質問に答えてもらってありがとう。志賀さんがどういう人なのか、少しだけわかった気がするわ」
結華が停車させたワゴン車のドアを開き、いの一番に車外へ出ていった。
このあたりの素早さは、若手レスラーとしての下働きで身についた動きだろう。
そして、洋美たちが外に歩み出た時であった。
イベントに使った機材を車から引っ張り出そうとする洋美の前に、結華が一分の隙もない仁王立ちの体勢で立ちはだかった。
「どうしたの、黒須さん?」
「ここまでの経緯を見て、私はどうしてもあなたと本気で対戦をせずにはいられなくなりました。あたしは今、この場であなたにブックなしの戦いを挑みます。志賀洋美さん」
真正面から自分を射貫くような鋭い眼光を受け、洋美は二秒ほどの間を置いて言った。
Zeal of Ultralady 第二十一話『決闘! 20カウント』 Part5-1
5
重武装でありながら軽快。
それが戦闘時のヴィルストーヴァを見る者に共通した感想であった。
一見してズングリとした体型のヴィルストーヴァではあるが、動きそのものは猫化の大型肉食獣とほとんど違いのない柔軟なものであった。
敵と認識したジールへ肉薄する際も、一飛びごとに巨体を左右に揺すり、実に狙いが絞りにくい。
対する白銀の戦女神は、慎重に間合いを計りつつ、周囲に建造物の乏しい場所へと戦場を移してゆく。
ガチリと顎を噛みあわせる音が、白銀のマスクのすぐ横を通り過ぎた。
戦闘開始からジールは三度ほどヴィルストーヴァの突進を躱していたが、その様子がいつもと異なる事に洋美は気づいていた。
普段であれば、敵の力任せの突進力を逆用して投げ技に繋げたり、交差する一瞬のタイミングにカウンターの痛打を見舞うのは常識と化している
しかし、今回に限ってはただただ丁寧に敵の攻撃を避け、周囲に被害が出ないよう、相手と自分の立ち位置を調節するだけだった。
“ジール、これは一体……。まさか、私の動揺のせいで本来の動きができないんじゃ?”
“それもありますが、実はもっと大きな理由があります”
“それって、どんな……”
“言葉で説明するより、一度だけ体験してみましょう。……少し、痺れますよ?”
極めて事務的にそう言うと、ジールは右腕の光線剣を発動させ、そこに超振動を加えて身構えた。
そして、再三の攻撃を避けられ、苛立ちの気配を見せ始めたヴィルストーヴァが、またも正面から突進を仕掛けて来る。
それに合わせ、ジールも地を滑るように前へ出た。
紫の巨体と、青き剣の閃きが交錯した一瞬、金属同士が擦れ合うような大音響が轟き、双方は再び間を取っていた。
だが、ジールの方は再度構えを取るどころか、右手から出していた光線剣を消し、その手首を左手で庇うように押さえていた。
“ぐっ、なに? 今のとんでもない衝撃は……”
“これこそが、ヴィルストーヴァの能力の一端なのです、洋美さん”
呻くように言った洋美は、手に残る感触に意識を傾けた。
“これ、私たちの超振動を、逆に跳ね返された時の感触そのままだわ”
それは過去、ギゼンダやギゼオネスといった頑強極まる相手に、真っ向から超振動の衝撃を弾き返されたのと同じ感覚であった。
“そうか、相手のあの装甲も、振動してるって事ね”
“ええ。何より、我々と違って戦闘中は常時振動している上に、その面積や質量もこちらとは比べものになりません”
“まともに打ち合うどころか、触れることさえ危険だなんて。タチが悪すぎよ”
“本来であれば、あの突起や装甲の継ぎ目へ正確に刃筋を合わせて打ち込み、段階的に攻略していくのですが、残念ながら今の我々にはそこまでの身体能力はありません”
“やっぱり、私の心の乱れが……”
変身を目撃された洋美は、波立つ精神を完全には治められていない。
詫びるようなもう一人の自分の声に、ジールは優しく応じる。
“気にしてはいけません、洋美さん。そういった心の起伏があるからこそ、私たちは過去にギゼンダやギゼオネスとの戦いに勝利する事ができたのです。今回は、たまたま反対の条件で戦闘に望まねばならなくなった、というだけの事です”
そして、今度は自分から重装型のDTに間を詰めてゆく。
鋭利な牙の生えそろった口をかき開き、美しき白銀の巨体を、その顎にかけようと襲いかかって来るヴィルストーヴァ。
瞬間、ジールの気配と体勢が劇的に変化した。
一瞬にして四足歩行怪獣のヴィルストーヴァより低い姿勢での突進に移っており、虚を突かれた重装怪獣を再び下からカチ上げ、竿立ちにさせた。
その位置関係が維持されるほんの一秒足らずの間に、戦女神は都合五発の打撃を、敵の腹部へ叩き込み、その巨体を仰向けに弾き飛ばす。
足下の農地を踏み越え、倒れた敵へ飛びかかろうとした瞬間、横合いから超振動の装甲に覆われた尾が横殴りに叩きつけられて来る。
“くっ!”
咄嗟に自前の超振動を叩きつけて対抗するも、やはり重量差からジールは一方的に弾かれ、背後へ押しのけられた。
“やられましたね、これは”
右腕の感覚が完全に喪失している。
重大な損傷はないにせよ、右手が痺れてしばらく使い物にならなくなっていた。
だが、今の一連の打撃を受けた事で警戒したのか、ヴィルストーヴァは獲物を狙う猫のような姿勢になり、間を取った。
そして、首だけを正確にジールへ向けたまま、虎が獲物の様子を伺うかのように、左へ右へと歩きだす。
当然、相手を市街地を入れないよう試みるジールも、それに合わせて立ち位置を変えてゆかざるをえない。
と、ジールはその足を半ば意識的に止め、背後を一瞬だけ確認する。
いつの間にか、住宅地と自分の距離が近くなっていた。
ヴィルストーヴァへの対応を優先した結果、逆に自分の行動が制限されていたのだ。
洋美の精神面の揺らぎによって、普段より大幅に体機能を低下させた今のジールにとって、捕食性動物の合理的な本能にしてやられるのは無理もない事である。
そこへ、満を持して見舞われる重装怪獣の突進を、ジールは覚悟を決めて受け止める。
全身の力を振り絞り、敵と四つに組んだ事で、辛うじて突進を止める事に成功する。
直後にそれは来た。
ヴィルストーヴァに接した部位から、強力な破壊の振動を叩き込まれ、ジールの白銀の全身を波紋のように波立たせた。
「ぐふっ、が、ああ……」
つい先日戦ったグルディバイドと似た性質の攻撃だが、ジールは苦痛に呻きながらも敵の巨体を押し返し、再び戦域を住宅地から遠ざけてみせる。
渾身の力でヤマアラシの如き巨大生物を突き飛ばすと、ジールはすかさず主砲の荷電粒子砲を発射する。
威力よりも速度重視の速射であったが、並の巨大生物であればそれだけで決定打になる攻撃である。
だが、その直撃の瞬間、ジールと洋美は目を剥いた。
自らが撃ち出した荷電粒子流が、ヴィルストーヴァに肉薄するや、まるで爆発でもしたかのように拡散したのである。
「くっ!!」
ジールは、慌てて主砲の射出を停止し構えていた左腕を下ろす。
自らの攻撃が弾かれ、どこへ飛んでゆくか分からない状態では、砲撃など出来る物ではない。
その瞬間、立ち上る爆炎と噴煙に隠された視界から、ケイ素の装甲を纏った怪獣が飛び出し、虚を突かれたジールの右太腿に食らいついた。
「うっ、ぐぅっ!」
苦痛に呻き声を漏らしつつも、白銀の戦女神は敵を引きはがそうと、その頭部に右手を添えた。
しかし、送り込んだ超振動は、より強力な超振動によっと弾き返され、右手と右足へのダメージを増すだけであった。
その間にも、食らいつかれた太腿からは、敵の牙による出血が始まり、戦女神の危機が視覚的に表現されていた。
“こうなっては仕方ありません……”
苦い声色でそう言ったジールは、左腕の指をヴィルストーヴァの牙の隙間から、その口腔内へ差し込んだ。
“洋美さん、少々熱くしますよ!”
肝心の同化者が了承の意を示すより早く、ジールは敵の口の中へ直接レーザーを叩き込む。
『DYUUUUUUUUUUN!』
効果は覿面であった。
くぐもった呻き声を上げつつ、背後へ飛び退いて口元を前足で掻きむしるヴィルストーヴァ。
ジールの方も自分の熱によって、左手と腿にダメージを負ったが、あのまま噛みつかれているよりは遙かに良い。
ジールは傷ついた右足の痛みが収まるまで、ヴィルストーヴァは口腔に直接撃ち込まれたレーザーのダメージから立ち直るまで、双方対峙したまま目立ったアクションを起こそうとはしなかった。
創作が不調なので
とりあえず手軽にできるポザ画をこしらえてUPです。
あんまり更新がないのもなんですしね。
とりあえず、近日中に小説の方を更新できると思います。
今回は一度やってみたかったネタです。

ギゼンダ「全ての有機生命体を滅ぼすだと? クソ弱えガラクタが何のぼせ上がってやがんだ、ああ!?」

ギゼンダ(別の宇宙から送り込まれてきたロボットの群れか。……ん? ってことは、他の宇宙でもこんなのとオレやジールみてえなのがやり合ってる可能性があるのか。そう考えると、なかなか面白えな)
まず最初に、キン○ジョーファンの人、ゴメンなさいw
作った構図はこの二枚なんですが、二枚目の方は一度光源設定を間違えたボツ絵があります。
あまりにも印象が違うので、続きの方に掲載してあります。
ギャップを楽しみたい人だけどうぞ。(笑)
あんまり更新がないのもなんですしね。
とりあえず、近日中に小説の方を更新できると思います。
今回は一度やってみたかったネタです。

ギゼンダ「全ての有機生命体を滅ぼすだと? クソ弱えガラクタが何のぼせ上がってやがんだ、ああ!?」

ギゼンダ(別の宇宙から送り込まれてきたロボットの群れか。……ん? ってことは、他の宇宙でもこんなのとオレやジールみてえなのがやり合ってる可能性があるのか。そう考えると、なかなか面白えな)
まず最初に、キン○ジョーファンの人、ゴメンなさいw
作った構図はこの二枚なんですが、二枚目の方は一度光源設定を間違えたボツ絵があります。
あまりにも印象が違うので、続きの方に掲載してあります。
ギャップを楽しみたい人だけどうぞ。(笑)
ちょっとリニューアル
こんにちは。管理人です。
今回はPoserで使用しているフィギュアのお話です。
私が自作キャラクターのPoserフィギュアを作る際、怪獣や星人以外のヒロインは、Poser4の女性キャラクターをベースとしています。
もっと突き詰めて言えば、Poserで女性ウルトラ戦士の3DCGという分野を開拓されたCANDYさんの手による、『レイ・ガデス』をベースとさせて頂いています。
3Dフィギュアとしては、さすがに現行の最新モデルとは比較できませんが、何より軽く扱いやすいのが魅力です。
つい最近、この分野で最新となるVictoria5という第五世代のフィギュアが出ましたが、こういった緻密なモデルでサイズの大きなテクスチャを使用してリアルさを追求すると、私のマシンスペックでは恐らく落ちます。
というか、使用しているPoser自体が現行の三代前のモデル6Jですしね。(笑)
でも、実際P4の女性フィギュアは緻密ではない物の、女性の戦士にマッチしたバランスの良い体型をしているように思います。
そして、今回うちの執行官姉妹のモデルデータを弄って、少しばかりリニューアルをしてみました。
どこをどうしたかは、キャラクターたちに語って貰いましょう。

フローラ「姉さん姉さん。今回、私たちの形状データが“KAIZEN”されたって本当?」
メルネデ「うーん、今回は“KAIZEN”よりはもうちょっと踏み込んだ変更ね」
ジール「どこがどう変わったのか、見て下さっている方にも分かるよう、説明願えますか?」
メルネデ「OK。二人とも、自分の足を見てみて」

フローラ「あっ、ブーツが本体と一体化してる!」
メルネデ「そういう事。今まで、私たちはあくまで人間の女性フィギュアをベースにしていたため、ブーツは別フィギュアとして着用していたのよ。でも、今回は完全に一体化させたのね」
ジール「なるほど。フィギュアデータの軽量化は元より、ポーズの破綻なども心配しなくて良くなった訳ですね」
メルネデ「それを踏まえて、次の絵を見て」

フローラ「な、なんで私の苦戦してる画面なの……」
メルネデ「一番見やすいのこれなのよ。で、絵の中のフローラのスネの部分を見てみると、ブーツと本体の間に切れ目が見えて、どうしても不自然さがぬぐえないのよね」
ジール「これからは、その心配もいらない訳ですね」

メルネデ「まあ、今となっては、私たちみたいなP4ベースのフィギュアを使い続けている作者さんは少数派だけど、使っている本人も気に入っているみたいだし、まだまだ行けそうね」
フローラ「ウチの作者、最新モデルは『扱い切れん』とか言って、初めから導入する気が薄いみたいだし。言ってみれば『MUGEN』におけるカンフーマンみたいな立ち位置って訳だね」
ジール「また微妙な例えを……」
メルネデ「ま、古くても本人が楽しんでればそれで幸せって典型例ね」
ジール「ですね」
フローラ「では、これからも色々頑張りますので、どうぞ宜しくお願いしますね。皆さんにも楽しんで貰えたら、私たちも作者もこれ以上嬉しい事はありません」
三人「では、また次の機会にお会いしましょう」
という事でした。
では、また次回~。
2011.11.4追記
元データを制作されたCANDYさんの許可を頂けましたので、このOBJファイルを一般公開致します。
扱い方は簡単で、元のレイ・ガデス系のキャラクターのOBJファイルと同じ名前にして上書きするだけです。
ブーツ部分のマテリアルは再設定する必要がありますが、それ以外は特に弄る必要はありません。
下記のアドレスまでご連絡頂ければ、折り返し送付致します。
frwnf202×hotmail.com (×を@に変換して下さい)
では、今回はここで。
今回はPoserで使用しているフィギュアのお話です。
私が自作キャラクターのPoserフィギュアを作る際、怪獣や星人以外のヒロインは、Poser4の女性キャラクターをベースとしています。
もっと突き詰めて言えば、Poserで女性ウルトラ戦士の3DCGという分野を開拓されたCANDYさんの手による、『レイ・ガデス』をベースとさせて頂いています。
3Dフィギュアとしては、さすがに現行の最新モデルとは比較できませんが、何より軽く扱いやすいのが魅力です。
つい最近、この分野で最新となるVictoria5という第五世代のフィギュアが出ましたが、こういった緻密なモデルでサイズの大きなテクスチャを使用してリアルさを追求すると、私のマシンスペックでは恐らく落ちます。
というか、使用しているPoser自体が現行の三代前のモデル6Jですしね。(笑)
でも、実際P4の女性フィギュアは緻密ではない物の、女性の戦士にマッチしたバランスの良い体型をしているように思います。
そして、今回うちの執行官姉妹のモデルデータを弄って、少しばかりリニューアルをしてみました。
どこをどうしたかは、キャラクターたちに語って貰いましょう。

フローラ「姉さん姉さん。今回、私たちの形状データが“KAIZEN”されたって本当?」
メルネデ「うーん、今回は“KAIZEN”よりはもうちょっと踏み込んだ変更ね」
ジール「どこがどう変わったのか、見て下さっている方にも分かるよう、説明願えますか?」
メルネデ「OK。二人とも、自分の足を見てみて」

フローラ「あっ、ブーツが本体と一体化してる!」
メルネデ「そういう事。今まで、私たちはあくまで人間の女性フィギュアをベースにしていたため、ブーツは別フィギュアとして着用していたのよ。でも、今回は完全に一体化させたのね」
ジール「なるほど。フィギュアデータの軽量化は元より、ポーズの破綻なども心配しなくて良くなった訳ですね」
メルネデ「それを踏まえて、次の絵を見て」

フローラ「な、なんで私の苦戦してる画面なの……」
メルネデ「一番見やすいのこれなのよ。で、絵の中のフローラのスネの部分を見てみると、ブーツと本体の間に切れ目が見えて、どうしても不自然さがぬぐえないのよね」
ジール「これからは、その心配もいらない訳ですね」

メルネデ「まあ、今となっては、私たちみたいなP4ベースのフィギュアを使い続けている作者さんは少数派だけど、使っている本人も気に入っているみたいだし、まだまだ行けそうね」
フローラ「ウチの作者、最新モデルは『扱い切れん』とか言って、初めから導入する気が薄いみたいだし。言ってみれば『MUGEN』におけるカンフーマンみたいな立ち位置って訳だね」
ジール「また微妙な例えを……」
メルネデ「ま、古くても本人が楽しんでればそれで幸せって典型例ね」
ジール「ですね」
フローラ「では、これからも色々頑張りますので、どうぞ宜しくお願いしますね。皆さんにも楽しんで貰えたら、私たちも作者もこれ以上嬉しい事はありません」
三人「では、また次の機会にお会いしましょう」
という事でした。
では、また次回~。
2011.11.4追記
元データを制作されたCANDYさんの許可を頂けましたので、このOBJファイルを一般公開致します。
扱い方は簡単で、元のレイ・ガデス系のキャラクターのOBJファイルと同じ名前にして上書きするだけです。
ブーツ部分のマテリアルは再設定する必要がありますが、それ以外は特に弄る必要はありません。
下記のアドレスまでご連絡頂ければ、折り返し送付致します。
frwnf202×hotmail.com (×を@に変換して下さい)
では、今回はここで。
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